大工道具
仕事を初めて間もないころ、年配の棟梁に教えてもらった言葉です。
「一錐二鉋三手斧(いちきり、にかんな、さんちょうな)」
扱いが難しい、高度な技術を要する道具の順番です。
鉋や手斧が、扱いの難しい道具であることはよく知られているが・・・、
1番難しいのは「錐」ですか?????
そういえば、大工さんが錐を使っているところを見たことがない・・・、
(建築工事に約30年携わってきたが、未だに一度も見た事がない。)
電動のキリは下穴を空ける時に見かけるが、電動工具が難しい筈もない。
真っすぐ回すのが難しいのか????
聞いてみると、全く違っていた。
腕木に雲の細工などする時に、錐の先を彫刻刀の様に使い、回しながら削る。
失敗すると、やり直しがきかない・・・・そりゃそうだ、削るんだから。
錐に限らず、鉋や手斧も見なくなったし、腕木も雲の模様も、住宅では見ない。
電動で効率良く綺麗に仕上がる最新の道具が席巻?・・している。
技を極めた仕事は見ていて、ため息が出るほど素晴らしいが、
昔は良かった・・・とは思わないし、今の時代の道具を極めていけばよいと思う。
三種の神器が「鉄砲(自動釘打ち機)、丸鋸、インパクト」・・・みたいな・・・・・。
「電動工具持たせたら・・・奴の右に出るものはいない!」・・・みたいな・・・・・。
道具、好きです。
工務 斉藤